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今野芙季子 /剣道に学んだ感謝の心

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平成19年度 第29回小学生の部 優良賞

東北地区代表
山形 押切道場

 私の赤ちゃんのころのアルバムに、おもちゃの竹刀を持って遊んでいる写真があります。父が、買 ってきたもので、私は小さなころから、その竹刀で遊んでいました。父が剣道をやっていることもあ り「剣道、やってみようかな。」と軽い気持ちで始めたのが3年生の時でした。
  それから、2年半。いくつかの試合も経験しました。試合の時に、いつも思うことがあります。そ れは、勝っても負けても「ありがとう」という気持ちになることです。勝った時は、いつも教えてく ださっている先生方、そして、いつも一緒に苦しい練習をがんばっている仲間に「ありがとう」と思う気持ちでいっぱいになります。たくさんの人たちに支えられて、がんばることができているんだ、と思うしゅん間です。また、負けた時は、試合で戦った相手に「ありがとう」と感謝します。確かに、 負けをみとめるのはくやしいことです。でも、自分がなぜ負けたのか、自分の弱点はどこなのか、と いった敗因に気づくことができます。そして、その思いが「次はこんなふうにしよう」という、次のステップへのエネルギーとなってくれるのです。
  私は、剣道をやる前「負けてありがとう」などと思うことはありませんでした。それが相手がいて くれたことで、自分の課題に気づくことができるのです。剣道は、一人ではできません。相手がいるからこそできるのです。相手を大切に思うこと、相手に感謝することが、技と心をみがくのに、とても大切なことなのだと、今は思えるようになりました。
  このような、私の中での心の成長は、剣道、そして剣道をしている人たちとの出会いがあったから だと思っています。
  大好きな剣道ですが、いつも楽しいわけではありません。以前、私は面を素早く打つことが、うまくできませんでした。何度も何度もちょう戦するのですが、思うようになりません。先生から大声で、
「何、やってるんだ。」
と言われ、剣先で動きを止められることもありました。そんな時「絶対にできるようになってやる」 と、できるまでやろうと心を強くして根気強くがんばりました。フラフラになりながらも練習にうち こんでいた時、体がスーっと動いて「できた」という一本がありました。そのしゅん間、
「おお、よくやった!」
と、明るい先生の声が体育館に気持ちよくひびきました。その時、私は何とも言えない達成感で、全 身がつつまれたことを覚えています。その一本を、ちゃんと見ていて下さった先生、感謝の気持ちで いっぱいになりました。そして、できるまでがんばり通した自分。その2つがあったから、体中がうれしさでいっぱいになったのだと思います。
  私の目標とする人は、全ての先ぱいと先生方です。その中に、私の父も入っています。父は、忙しくてなかなか指導に来れませんが、時間を作って教えに来てくれます。練習中、何だか私にだけきびしいな、と不満に思うことも正直言ってあります。でも、帰りの車の中で、その日の練習について、 父の話を聞く時間がとても好きです。みんなの前ではほめてくれなくても「打ち方がよかった」などと自分では気づかないことをほめてもらうことがあります。そんな時「ちゃんと見ていてくれたんだ、 ありがとう」という気持ちになります。親子で、剣道ができてよかったなと思うしゅん間です。
  私も父のように大人になってもずっと剣道を続けていきたいと思います。小さな子たちに教える指 導者になりたいです。剣道が持つ楽しさ。苦しいことに向かっていくことの大切さ。そうやってできた時の達成感。そして、相手に感謝する心。これからも、このような気持ちを大切にして、剣道と向かい合っていきたいです。