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森川敬太 /剣道で学んだこと

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平成20年度 第30回中学生の部 優秀賞

近畿地区代表
和歌山県 弘武館川辺道場

 僕は、小学1年生から剣道を学んでいます。そして今、剣道の技以外にも、道場でいろいろなことを学んでいます。先生は、礼儀、あいさつ、返事など、年上に人に対しての態度、社会の厳しさを教 えてくれます。僕は、近所の人に会うと「おはようございます。」「こんにちは。」とあいさつをしています。けれど、最近、僕の周りでは、あいさつや、返事ができていない人が多いと思います。これは本当によくないことです。日本には、昔から多くの武道があります。どの武道でも、技などではなく、 まずあいさつや返事を基本として教わります。学校の授業では、バスケットボールや、バレーボールなどは、何時間もやるのですが、武道などの国技は、2時間ぐらいで終わり、あまり、武道のよさを 皆に分かってもらえません。
  しかし、この前、新聞の一面に「武道を必修科目に」という記事が載っていました。記事には「相 手を敬う精神」の指導が重要』と見出しに載っていました。武道について、「伝統的な行動の仕方に留 意して互いに相手を尊重できるようにするという目的がある。」と載っていました。神戸女学院大学の 内田樹教授(武道論)は武道には古くから伝わる呼吸法や瞑想法など自分自身と向き合う稽古がある ことを指摘し「正しい指導がなされれば、武道は精神の鍛錬になる。対戦相手に対する礼儀は、コミ ュニケーション能力を向上させることができる。」と話しています。
  僕達弘武館では練習の終わりに、毎日、剣道修錬の心構えの中で、剣道の特性を通じて、「礼節を尊び 信儀を重んじ 誠を尽くし」と、相手を敬う精神を学んでいます。
  最近の出来事では、政治・経済・教育等、日本のリーダーの中にも相手を敬う気持ちが失われた事件が多発。スポーツ界では、国技といわれる大相撲での弟弟子をいじめて、殺してしまった事件や、 横綱 朝青龍の品格に欠ける言動。ボクシングに於る亀田親子の反則問題などがあります。どんな手 を使ってでも勝ちさえすればよいという姿勢で、相手を敬う気持ちが失われたから、反則をしたのだ と思います。だから、もう一度、相手を敬う気持ち、武道の精神を学び直す必要があると思います。 この武道の精神を広げるためには、もっともっと、僕達の道場に入部する子が増えてほしいです。そ うすれば、新しく入部した子供達に、剣道の良さや武道の精神が伝わり、その良さを、学校の友達に 伝えてくれると思います。
 僕の夢は、剣道4段に合格して、審判員の資格をとることです。そして、人々を助ける仕事をする 職業に就きたいことです。
  これからも、技術も心も体も鍛えて、どこまでも、剣道と仲間と共に歩んで行きたいと思います。 そして、できるだけ多くの人に、剣道の良さ・武道の精神、なによりもあいさつの良さを
 「こんにちは」と大きな声で、皆に伝えて行きたいです。