>>>→TOPへ

佐藤亜美 /これからの私

■■■受賞者一覧へ戻る
佐藤亜美

平成22年度 第32回小学生の部 優秀賞

関東地区代表
茨城県 十王町武道振興会

 1年生の時、父と「最後まで続ける」と約束をして始めた剣道。やってもやっても出来なくて、辛い時もあったけど、それでも、休まずけい古に行く、最後まで続ける、そう思って、ただひたすらがんばってきた6年間。
 そんな私に、去年大きなチャンスがやってきました。県代表の副将として、全国大会に出場する事になったのです。代表が決まった時は、信じられなくて、涙が止まりませんでした。そしてその事を、誰よりも喜んでくれたのは祖父でした。今、祖父は大きな病気と戦っています。だから私にとって、特別な思いの試合です。使い続けている防具も、「強くなる様にがんばれよ」と、祖父が買ってくれたものです。大会の日まで、今まで以上にがんばりました。厳しいけい古も必死でがんばってきました。  そして迎えた大会当日。私にとって初めての大舞台。試合直前まで、足のふるえや、心臓のドキドキが止まりませんでした。大きく深呼吸をして「お願いします。」「始め」の合図で、お腹から思いっきり気合いを出し、無我夢中でがんばりました。集中して、集中して戦った3分間。でも結果は、2本負けでした。
「負けたぁ。終わったぁ。」
きん張の糸がほぐれ、何もかもすべて終わってしまった様に思いました。色々な思いの詰まった大会だったからです。
「がんばってきたのになぁ。」
 負けた報告は、なんとなくはずかしく、胸を張って言えなくて、祖父には電話で伝える事にしました。いつも応援してくれてる祖父の顔を見たら、泣いてしまいそうだったからです。
「そうかぁ、負けたかぁ。でもいい経験をしたね。亜美はまだまだこれから。大事なのはその後だぞ。がんばれよ。」
そう言ってくれました。病気と戦う祖父。本当は、不安やこわさでいっぱいだろうなと思います。泣きたいときもあるだろうなぁと思います。でも、そんな顔は見せず、また私をはげましてくれました。母にしかられた時も、落ち込んでいる時も、祖父はいつも私にこう言います。「亜美はがんばっているよ。」と。そのはげましで、私は今まで、あきらめないで続けてこれたし、がんばってチャンスをつかんできたのです。落ち込む私は、はっとしました。祖父の言う様に、私はまだまだこれからで、何も終わってなんかないんだ。祖父の言葉に、もう一度がんばる勇気がわいてきました。何も出来ないけど、私のがんばる姿が、祖父のはげみになるなら、今度は私が、祖父の力になりたい。そう思いました。今まで、自分の事しか考えなかった私です。そして、それが当たり前と思っていました。自分の事より、人を思いやる祖父の姿、いつも前向きな姿に、剣道の道も同じかもしれないと思いました。  だから、今私は、また新しいチャンスをつかむために、毎日がんばっています。祖父も、
「亜美のがんばる姿をみると、じいちゃんも元気がでる。」
と時々けい古を見にきてくれます。先輩にも「負けて強くなる」と言われます。負けた事にこだわる私、気持ちを切りかえられない私。だけど、大事なのはその後で「私はまだまだこれから。」そう思ったら、自分のやるべき事が、見えてきた気がします。負けたくやしさも、次の力に変えて、これからの私のがんばる姿を、祖父にずっとみていてほしいです。
 そして今、気づいた事があります。私には支えてくれて、守ってくれて、私を想ってくれている人が沢山いる事に。だからこうして、大好きな剣道を続けていられるんだと。祖父が教えてくれた、感謝の気持ち、前向きな気持ちを忘れず、もっともっとけい古をして、いつか必ず、チャンスをつかみたいです。
 「よしっ、まだまだこれからっ。」